病気について

🫀 心房細動について

心房が不規則に震える不整脈。血栓予防・アブレーション・左心耳閉鎖術など、治療の全体像をわかりやすく解説します。

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ℹ️ このページの情報は一般的な説明を目的としており、個別の診断・治療を指示するものではありません。詳しくは担当医にご相談ください。
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1. 心房細動と問題点

心房細動とは?

心房細動(AF)は、心臓の上の部屋「心房」が不規則に震えるように動く不整脈の一種です。このため心臓全体のリズムが乱れ、効率的に血液を送り出せなくなります。

主な問題点

  • 血栓(血の塊)ができやすくなり、特に心房の中に溜まった血液が固まりやすい
  • その血栓が脳の血管に詰まると脳梗塞(特に重症型)の原因になります
  • 動悸、息切れ、だるさなどの症状や、心不全のリスクもあります
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2. 抗凝固療法の重要性

なぜ抗凝固療法が必要か?

心房細動によって血栓ができやすくなるため、それを防ぐ必要があります。抗凝固薬(血をサラサラにする薬)は、脳梗塞などの重篤な合併症を予防するための最も重要な治療です。

主な抗凝固薬の種類

  • ワルファリン:定期的な採血(PT-INRの確認)と食事管理が必要。納豆は食べられない。
  • DOAC:近年よく使われる新しいタイプの抗凝固薬。定期的な採血は不要。

注意点

  • 出血リスクとのバランスが大事(消化管出血や転倒時の頭蓋内出血など)
  • 一度中断すると脳梗塞リスクが急激に上がるため、自己判断でやめないことが重要です
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3. その他の血栓予防法(左心耳閉鎖・切除術)

抗凝固薬の内服が難しい方や、より根本的な血栓予防を目指す方向けに、左心耳閉鎖・切除術という選択肢があります。

💡 心臓の左心房にある「左心耳」は、心房細動では血栓の90%以上が形成されるポケット状の構造です。この部分を閉鎖・切除することで血栓形成リスクを減らします。

3-1. 内科的左心耳閉鎖術(Watchmanなど)

カテーテルを用いて足の付け根から心臓にアプローチし、左心耳の開口部に専用の閉鎖デバイスを留置して、血流の流入を防ぎます。

主な適応:出血リスクが高く抗凝固薬の継続が難しい患者、脳梗塞リスクが高いが抗凝固療法が禁忌のケース、透析患者、抗凝固薬を内服しているにも関わらず脳梗塞を起こした患者

特徴:低侵襲(開胸なし)、一度の手技で長期的な血栓リスクを軽減、留置後しばらく抗血小板薬が必要な場合あり

3-2. 外科的左心耳切除・縫縮

心臓手術(弁置換術など)と同時に、または胸腔鏡を用いた小手術(ウルフ・オオツカ法など)で左心耳を切除または縫い縮める方法です。

特徴:根治的に左心耳の血栓形成を防ぐ、再発リスクが少ない、内科的治療と比較し早期に抗血栓剤を中止できる可能性が高い

4. カテーテルアブレーション治療

アブレーションとは?

心房細動の原因となる異常な電気信号を出す場所(主に肺静脈の周囲)を、カテーテルを使って隔離し、信号を遮断する治療です。

手術の流れ

  • 鼠径部(足の付け根)、首の静脈からカテーテルを挿入
  • 高周波(RF)または冷凍(クライオ)、パルスフィールドで隔離
  • 麻酔で寝ている状態で数時間で終了し、通常は数泊で退院

メリット・デメリット

  • ✅ より高い心房細動の抑制効果(特に発作性心房細動で効果大)
  • ✅ 薬に頼らない生活が可能になることもある
  • ⚠️ 心タンポナーデ、血栓、肺静脈狭窄などの合併症の可能性
  • ⚠️ 再発することもあり(追加アブレーションが必要な場合も)
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5. パルスフィールドアブレーション(PFA)

パルスフィールドアブレーション(PFA)は、電気パルス(高電圧の短い電気)を用いて心筋の細胞膜に穴を開け、細胞死を誘導する新しい治療技術です。

特徴とメリット

  • 周囲の組織(食道、神経、血管など)を傷つけにくい
  • 焼灼や冷却が不要 → 短時間で正確な治療が可能
  • 合併症リスクが低く、安全性が高いとされている
  • 近年、日本でも保険適用され始めた最新治療
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6. 止血デバイスについて

心房細動のアブレーションや左心耳閉鎖術では、足の付け根(大腿静脈)などからカテーテルを挿入します。手技後にはその穿刺部位からの確実で安全な止血が求められます。

止血方法の種類

  • 手で圧迫(マニュアルコンプレッション)
  • 止血用バンド(デバイスなし)
  • 専用の止血デバイス(縫合 or コラーゲンなど)

多くの施設では長時間圧迫を避け、早期離床・早期退院を実現するために止血デバイスが導入されています。高齢者の合併症リスク軽減にも有用です。